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私が思うのは、日本人のお金の使い方で、"中くらい" の額にこそ問題があるのではないか、ということです。
100円単位、1000円単位の買い物まではうまい。チラシやネットに目を凝らし、満足度をそれなりに得ています。いっぽう数千万単位であれば、誰でも慎重に慎重に行動するでしょう。
ところが、1万円から100万円単位のお金の使い方がなんとも下手なのです。これがうまく使えていないから、幸福感が台無しになっている。結果、孤独感を克服することができない。私はそう考えています。(p.25)

読書メモ

2015年6月刊。
お金の上手な使い方をアドバイスする本。

調査によると、先進国の中で日本人の幸福度は最下位なのだそうだ。

著者の言う「中くらいの幸せ」とは、自分の夢を実現した時に得られるような「大きな幸せ」と、日常生活の中で得られるような「小さな幸せ」の間にあるもの。

「大きな幸せ」や「小さな幸せ」はお金とは無縁だが、「中くらいの幸せ」はお金をうまく使うことでもっと幸福感を大きくできると著者は言う。

自分は「幸せを買う」という言葉は好きではないが、「時間や手間をお金で買う」というのは同感。
お金は貯めるだけじゃなくて、適材適所に使っていくことでこそ活きてくる。


引用メモ

私はこう考えています。
「幸せには3つの種類がある。"大きな幸せ" も "小さな幸せ" もお金とは無縁だが、"中くらいの幸せ" をゲットするには、お金の使い方がカギになる」(p.13)
日本人は亡くなる時、平均3000万円もの資産を残しているそうです。お金を天国に持っていくことはできないのに。(p.26)
将来のリスクに対して、すべてお金でなんとかしようと思ってはいけない、と私は思います。お金だけで回避しようとしても、絶対に足りなくなりますから。 しかも、そのお金を準備していくプロセスで、日々の幸せを大きく毀損してしまう可能性だってあるのです。未来のお金の不安は、「一生働けるスキルや生活できるコミュニティを手に入れる」ことでこそカバーすべきだと思います。(p.27)
何を外注して、何を自分でやるのか。
そこにこそ人生の美学が表れるんです。クリーニングもそうですし、掃除もそう。お願いしてみたら、こんなに余裕ができるのかと感心するかもしれません。プロに委ねれば、自分の時間にゆとりができる。
そう考えると、何でも自分でやろうとして時間貧乏になるということこそ、最も避けないといけないことです。(p.106)
いま一度、断言したいと思うのです。
これからのお金は、「物語」を生み出すことに投じたほうがいいことを。どれだけ「物語」を増殖させ、どれだけ人との絆を豊かにできるのか。これがあなたの「中くらいの幸せ」感を決定します。(p.230)
最後に「お金とは何か」について、私の見解をシンプルに語っておこうと思います。
お金とは「ありがとうのしるし」です。だから、ありがとうを言ってもらえる場所にこそ使ったほうがいいし、使うべきです。それが、最もお金が喜んでくれる、お金の使い方です。そのことを忘れないでください。
「ありがとう」を言ってもらえる場所に使われたお金は、「物語」を生み、絆を増殖させます。こうして「ありがとう」が循環していくことになるのです。(p.235)

(太字は引用者による)

中くらいの幸せはお金で買える (単行本)

藤原 和博 筑摩書房 2015-06-25
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