B勘あり!

B勘あり!

  • 作者:飯田 真弓
  • 出版社:日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2015-06-04

この本、この行

ある特定の費用を計上しないということは、それに紐つく売り上げを除外する意図があると、そう判断されても仕方ないんですよ」。(中略)
「『両建て』って言うんですよ」(中略)
「入るほうも出るほうも、すなわち売り上げも、費用も、両方とも表に出さない。これは意図的にやったとしか説明のしようがないんですよ」(p.80)

読書メモ

2015年6月刊。
税務署員と税理士の両方の視点から書かれた小説。

著者は『税務署は見ている。』を書いた、元国税調査官。
タイトルの「B勘」とは「借名預金」(いわゆる隠し口座)のことを指す。

3つの事案が絡み合うところが、面白くもあり、ややこしくもある。
正直、小説的な面白さとしてはイマイチだけど、税務署の裏側が覗けるという点では稀有な小説かもしれない。

章の間に挟み込まれている「用語解説」がなかなか面白い。


引用メモ

「あるべきものがあって、正解。あってはならないものがそこにあったら間違いです。ないはずのものがあってもダメです。わかりますね。この質問と検査を総称して税務調査と呼んでいるんです。」(p.185)
【白色申告】
確定申告書には青色と白色がある。昔は本当に紙の色が白と青(水色)だった。白色申告にも記帳義務があると謳われてから、白色と青色の違いは何なのか、わかりにくくなった。調査官目線から言うと、白色はきちんと申告しようとする意思がない人、あるいは、申告納税制度にもの申したいと思っている人、さらには、まったく税務に興味も関心もない人となり、よい印象は持たれない。(p.213)
【控除失格】
収入から経費を引いて、そこからさらに扶養控除や基礎控除を差し引きすると、税金を払う計算のもとになる所得金額がマイナスになる場合がある。それを控除失格と呼ぶ。支払う税金がない場合は確定申告を提出しなくてもいいのだが、様々な行政機関は確定申告書の控えの提出を求めることがあり、税額がゼロでも、確定申告書を提出する人はいる。(p.214)
【家事消費】
飲食店や食料品店の場合、残りものを家族で食べたりすることがある。「自分の店のもんを食べて何が悪いんじゃ」と言いたくなるだろうが、仕入金額は税金の計算に入っている。家族がそれを食べれば1食が助かる。「助かった=儲かった」となり、儲かったと思う金額は「家事消費」として売上金額に加算しなければならないのだ。(p.259)

(太字は引用者による)

B勘あり!

飯田 真弓 日本経済新聞出版社 2015-06-04
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こちらは小説ではなく、税務署の仕事内容について書かれている。

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