読書メモ

2014年11月刊。
昭和50〜60年頃にたくさんあった、麺類やトーストなどの調理機能付きレトロ自販機の、解説と探訪レポート。

自分はレトロフード自販機のことを誤解していた。
工場で自販機用に作った素材をセットして、温めるだけだと思っていた。

自販機にセットされるうどん・そば・トーストなどは、何と人間が毎日手作りしてセットしていたものだったのだ。
麺は生めん。具もダシも手作り。そりゃ、おいしいわけだ。
冷凍食品では味わえない「温かみ」にも納得。

考えてみれば、フード自販機が活躍していた頃は、一般家庭の電子レンジや、24時間営業のコンビニが普及する前のこと。
深夜でも温かいものが手軽に安価で食べられるというのは、きっとありがたい存在だったに違いない。

製造から30年以上経った今、稼働数は減りつつも、自販機たちは日本のあちこちでまだ稼働しているらしい。俄然興味が湧いてきた。
自販機の「トーストサンド」、食べてみたい。


引用メモ

もう一つの特徴は、調理の進行状況を知らせるニキシー管だろう。調理終了までを1秒ごとにカウントダウンする様子はレトロ感に溢れており、待ち時間も楽しめる。(p.25 富士電機の麺類自動調理販売機)
利便性が高くて、値段も安くて、「25秒で自販機から出てきてこの味だったら、それはいいと思うよなぁ」。(p.99)
これらの自販機には、デジタルじゃない、アナログの良さを感じますね。機械だけど、裏では結構人間の手がかかってるということかな。あったかみもありますよ。コンビニさんには真似できないものがあるんじゃないかなと思います。(p.101)
世の中が "24時間営業" ではなかった昔の日本には、本当の夜があった。
午前2時から4時頃までは、深夜という名にふさわしい静寂と畏れがあった。
世間の大半が眠る中、埠頭や国道で働く人や旅人たちを温めていたのが自販機だった。
当時から生き残る旧い自販機たちは、夜の重みを憶えているに違いない。(あとがき)
(太字は引用者による)

関連ページ

著者による「懐かし自販機」のページ。
自販機の製品カタログや、設置箇所マップも。


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