読書メモ

2015年5月刊。料理研究家を研究した本。
女性史(主婦像の変遷)についても触れられている。
料理はまったくしない自分でも、意外に面白く読めた。

自分は「料理本は、内容が陳腐化しない本だ」と思っていたけど、食材は時代によって変わるので、レシピ本も時代とともに進化していく、というのは新鮮な考え方だった。

タイトルでは2人だけに触れられているが、初期の料理研究家から時代を追いながら、多くの料理研究家が紹介されている。
小林カツ代が「料理の鉄人」で勝利して脚光を浴びた、というのは知らなかったなぁ。


引用メモ

「よく、失敗を恐れるなといいますが、料理やお菓子は、失敗するとほんとにがっかりしてしまいます。夕食のおかずはこれっきりというときに、とても食べられたものじゃない料理が仕上がったら、どんなにか情けないと思います」「むつかしい料理も、凝った料理も、やさしくつくったっていいではありませんか」(p.103 小林カツ代)
「一番最初に私の料理をやって失敗しちゃったら、私のこと嫌いにならない? やっぱり料理って難しいなって思わない? 裏切らないようにしたいなっていうことだけですね。あなたのレシピは信頼できる、それで料理が好きになったと言われたら、最高の私へのプレゼントですね」(p.153 栗原はるみ)
小林は、西洋料理、中華料理、日本料理とジャンル分けされた料理を外で食べてきたベースがある。対して栗原は、実家で和食を、結婚相手の家で洋食をと、食べてきたものが家庭料理中心だったため、ジャンルにこだわりがなかったと思われる。(p.143)
ほうれん草も昔はアクが強かったが、今では生で食べられるほど、アクが少ない品種が開発されている。食材の質は時代によって変わる。同時代の食材に合わせた調理法を伝えるのも、料理研究家の大事な仕事だ。(p.107)

小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代 (新潮新書)

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